シリーズ「日本で活躍する中国人ビジネスマン」vol1
中国ケータイ市場の開拓に貢献したい
OKIの呉志雄さん

 ご紹介するのはOKI(沖電気工業)ブロードバンドメディアカンパニー映像技術開発部で部長を務める呉志雄さん(46歳)、上海市出身だ。北海道大学で画像処理の技術を学んだ後、「習得した技術を活かしたい」と考えていた呉さんは、当時、映像技術の開発に力を入れていたOKIに90年に入社した。コンピューターやケータイが一般に普及するチョット前のことだった。日本でもトップクラスの映像通信技術を持っていたOKIで最先端の研究に取り組んだ。最初は、自分が中国人ということで心配していたが「周りが外国人扱いしないので、気兼ねなく働くことができた」そうだ。
 入社当初は、テレビ電話の開発に取り組んだ。以来、呉さんは一貫して映像技術の開発、普及に取り組んできた。開発の成果がひとつのカタチになったのが99年。呉さんが開発に関わってきた映像データの圧縮技術が、MPEG規格に採用されたのだ。
 呉さんは日本代表の一員として、規格を決定する国際会議に出席し、各国の技術リーダーと競いながら自社技術の国際標準化に成功した。自社の技術の優位性を認めさせるには、技術的な知識だけでなく、語学力や相手との交渉能力なども必要になってくる。「事前準備から発表まで、持てる力をすべて注ぎ込みました。あのときの喜びは今でも忘れない」という。この成功のおかげで同社の映像通信のビジネスにもハズミがついた。
 最近こうしたこれまでの経験を生かして、各メーカーにUSB型のワンセグチューナーやプロバイダ向けの映像配信設備などを供給する仕事についている。今後の目標は「中国ビジネスの拡大だ」そうだ。北京オリンピックや10年の上海万博に向けて、「映像配信システムを普及させたい」と意欲を燃やす。「中国人はケータイでも互いの顔を見ながら話したがる。日本とは習慣や嗜好も違うので、新しい市場を開拓できる」と。中国と日本のビジネス事情に精通する呉さんの活躍の場はさらに広がっていきそうだ。

本原稿は『学苑報』第4号にも掲載




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