生物のなかには人間には到底マネできないような能力を持っているものがいる。たとえば、触覚を使って、ホンのわずかな匂いを探知することができる昆虫や、高速飛行しながらも複眼を使って物をよけたり、仲間と一定の距離を保ったりすることができる昆虫などがそうだ。
その生態にアクセスしたのがファーブルだ。実際、100年前に刊行された『ファーブル昆虫記』には、オスのガがメスのガを追い求めたという記述がある。そして、ファーブルはその原因をメスの匂い(フェロモン)によるものだと分析している。しかし、今日の科学技術を用いれば、ファーブルの時代のナゾを解明することができるようになった。現に、東京大学先端科学技術研究センター生命システム分野の神埼亮平教授はカイコガの脳を分析し、脳のなかのニューロン(神経単位)を探し出すことで、カイコガのメカニズムを解き明かそうとしている。しかも、神崎教授は解析したデータをもとに電子回路でカイコガの脳を再現、高感度センサの開発も行っている。より詳しい研究内容については、月刊『コロンブス』10月号の28頁にインタビュー記事を掲載しているので、そちらをご覧いただきたい。
とまれ昨今、こういった生物の動きや機能を模倣し、私たちの実生活に役立てようとする研究・開発が急速に進んでいる。さっそく、明日からレポートしてみたい。
|