三角合併の解禁で外国企業による買収が進む!? vol.2
顧客・従業員・株主の関係を重んずる日本企業


 三角合併の手法を用いれば、現金で株を買い取る方法やTOB(株式公開買付)に比べて、カンタンに買収を進めることができる。となると、やはり外国企業による日本企業の買収は増加していくのだろうか。原会計事務所(東京都中央区)の所長を務める原俊氏は「三角合併という手法を使うかどうかは別として、外国企業によるM&Aが増えることは間違いないと思う。とくに金融、製造業、IT関連などの分野で増えるとみている」と話す。
 また、ここで忘れてはいけないのが、上場企業だけが三角合併の対象ではないということだ。当然のことながら、中小企業も三角合併の対象になるからだ。日本は独自の技術を持った中小企業が数多くあり、それだけに注意が必要になってくるはずだ。
 その点について原氏は「一概に外国企業が脅威になるとはいえない。というのは、日本の企業は顧客、従業員、株主の信頼関係のもとに成り立っているからだ。実際、日本企業の時価総額が総じて低いのは、銀行を中心として株を持ち寄ってきたからだといわれている。けっしてアメリカのように株主の利益だけを追求する資本主義社会ではない。日本ならではの社会風土が残っていれば、カンタンに買収されることはないだろう」と。
 たしかに、米国投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン」が、ソース大手の「ブルドックソース」TOBで買収しようとした際、ブルドックソースが導入した「買収防衛策」に対して株主の3分の2が賛同。これほどまでに強い絆で結ばれているのは、まさに日本企業ならではといえそうだ。
 しかし、そうはいってもグローバル化の波は確実に押し寄せている。最近ではアジアの企業の台頭がめざましく、資本力をつけた中国やアジアの企業が技術力のある日本企業を合併・買収しようとする動きも活発になってきている。それに、いつ日本の社会風土が変化するともかぎらない。オンリーワン、ニッチトップだと思っている企業こそ、三角合併の仕組みを把握しておく必要がありそうだ。

※「三角合併の解禁で外国企業による買収が進む!?」は本稿で終了です。





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