音に合わせて太鼓を叩くゲーム「太鼓の達人」のヒット以降、和太鼓がブームだ。小・中学校の音楽課目に取り入れられたり、東京では「和太鼓フィットネス」なども登場している。が、「太鼓一台の値段は30〜40万円をくだらない。太鼓を叩きたくてもできない人がたくさんいる。バケツやタイヤ、雑誌を代わりに叩いて練習している。子どもも大人も気軽に取り組める太鼓を作りたかった」と話すのは代表取締役の山内廣志社長。
日頃、地元の小学校などでも太鼓の指導を行っている山内さんが開発したのは、安価で音質にも幅広く対応できる太鼓。通常は太鼓の鼓面には牛や馬の革、胴部分には自然木を使うが、山内さんの太鼓は、胴部分に紙管、鼓面にはテントシートやヨットの生地など使用している。「イメージとしては、卒業証書を入れる筒を大きくしてシートを張った感じ」と山内さんは説明する。
とはいっても、気になるのはその音と耐久性。山内さんは紙管とシートが触れる部分に特殊な部品を取り付けて「鼓面を打った際のビリビリ音を取り除いている」という。さらに、紙管の内部に波状の紙を張ることで「音の響きを良くしている」と。実際に叩いて見ると、シートとは思えないほど見事な音が響く。価格は直径50cm、高さ60 cmのものが6万円、従来の太鼓の5分の1から10分の1にまで抑えることができた。
課題は販路の拡大。「太鼓の用途だけでは使ってもらえない。リハビリやエクササイズなど、太鼓と運動を組み合わせたスタイルを提案していきたい」と山内社長。紙の太鼓は、太鼓愛好者の裾野を広げてくれるに違いない。
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