地球温暖化は農作物はもちろんのこと、日本の漁業にも大きな影響を与える。100年後には日本近海でサンマ漁場がほとんどなくなるという予測が出ているほどだ。温暖化による水温の上昇が、海流や餌環境などを変え、海洋生態系が大きく変化してしまうというのだ。
ちなみに、温暖化の元凶とされている温室効果ガスは何もCO2だけではない。そのなかにはメタンや一酸化二窒素といったガスも含まれている。となると、メタンを発生させている農業や畜産業は、温暖化を促進していることになる。実際、メタンの場合、水田と家畜を合わせると、人為発生源の約40%を占めると推定されている。が、林教授は「たしかに農業や畜産業は温室効果ガスを排出している。しかし、人が生きていくためには必要な仕組み。商工業のようにたんに省エネを掲げるわけにはいかないので、これからは自然の機能を生かし、できるだけ温室効果ガスを抑えたり、生態系に吸収させたりするような仕組みづくりが大切になってくるだろう」と。
では、具体的にはどのような手法があるのか。もちろん大きな動きとしては、洞爺湖サミットのような場で金融と環境問題の関係、排出権取引市場のあり方などが議論され、新しい施策が打ち出されることだろう。が、地域に目を向けると、もっと細かい活動が必要になってくる。たとえば、IPCCガイドラインによると「水田の水管理としては、日本で古くから行われている中干しが有効だ」そうだ。中干しとは水田から水を出して、田んぼを乾燥させること。本来は土壌を引き締め、稲の倒伏を防ぐために行われてきたが、実は温暖化防止にも役立つ農法だったのだ。このように、これからは農業や畜産業において、従来の手法も含めて温暖化への影響を分析し、最適なものを選択していく必要がありそうだ。
|