ひとくちに温暖化といっても「地球の長い歴史のなかでは、この程度の気温の変化は当たり前だ」という見方もある。たとえば、中部大学総合工学研究所の武田邦彦教授は『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)という本のなかで「もともと地球史レベルでは、人間が二酸化炭素を出さなくても地球の気温は10℃や20℃ぐらいは上がったり、下がったりするのが当たり前のことである」とし「『温暖化』自体は悪くない。作物も採れるようになるし、暖かいことは悪いことではない。むしろ『急激に変わる』ことが大きな問題で、それが1℃でも2℃でも致命的である」と述べている。
だから教授はCO2についても、本当に温暖化の原因になっているのかどうかわからないと力説する。事実、早稲田大学国際教養学部の池田清彦教授もそうした考えに同調する。著書『環境問題のウソ』(ちくま書房)のなかで、1940〜1970年の間に平均気温が0.2℃減少していながらも、CO2濃度が315ppm〜325ppmに増加していることを指摘しているのだ。「少なくとも地球の気温にはCO2以外の要因が働いているのは絶対に確かであろう」と分析している。
そして、CO2以上に太陽活動による影響のほうが大きいのではないかとも。この根拠となっているのは「CO2の温室効果はほぼ飽和状態になっている」という仮説だ。「これだけ急激にCO2が増加しているにもかかわらず、温度上昇がこれだけしかないのはおかしい」というものである。そうはいっても、現段階ではCO2が温暖化に大きな影響を及ぼしているというのが一般的だそうだ。
こういった議論を見てもわかるように、地球温暖化にはかなり複雑な要素が絡み合っているのだ。これは温暖化の原因には太陽の活動や地軸の傾斜、温室効果ガスの増加、水蒸気によるフィードバック、北極・南極の氷の融解など、さまざまな要因が含まれているからだろう。
『環境問題はなぜウソがまかりとおるのか』の反論本『怺ツ境問題のウソ揩フウソ』(楽工社)を書いたSF作家の山本弘氏は「地球温暖化をはじめ、環境問題には未解明な部分が多分にある。そのせいか、データを読み違えたり、思い込みで温暖化の結果や理論を展開したりしているメディアが多い。受け手はそのあたりに注意しながら、温暖化を捉えてほしい。そして、何かおかしいと思ったら、図書館やインターネットなどで、データをシッカリと確認してみてほしい」と。なるほど、山本氏は学者ではないし、温暖化の専門家でもない。しかし、その本を読んでみると、詳細なデータによる分析が盛り込まれている。まずは、今の温暖化の議論をキチンと整理することも大切なのかもしれない。
ともあれ、地球規模の温暖化が進んでいることは間違いない。そして、その度合いはどうあれ、農業や漁業の産業地図に変化が生じるのは明らかだ。となれば、目前に迫る温暖化の対策を練り、実践することで、ほかの地域よりも一歩リードすることだってできるはず。いち早く対策に乗り出すことが、地域経済にとっては重要になりそうだ。
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