シリーズ・中小企業地域資源活用プログラムvol.5
旅館同士で協力して仮想旅館を創造
前回取り上げたアテーナ淡路のように施設の活用をテーマにしている場合はいいが、観光資源には風景や雰囲気といった具合に、特定の物や形がないケースも多い。そのため、地域資源のなかで観光資源を活用した事例はもっとも少ないのが現状だ。
が、そのような条件下にあって見事に地域資源に認定された事業がある。長崎県平戸市の(株)平戸観光ホテルを中心とした取り組みで、市内にある3軒の旅館が宿泊施設がタッグを組んだというものだ。「団体旅行の減少とともに、平戸市への観光客の数もどんどん減っていった。実際、平成18年も前年比マイナス4.6%という状況だった。何とかしないといけない、そんな思いが募っていった」と話すのは平戸観光ホテルの田口満社長。
さっそく、田口社長は宿泊施設の社長たちと相談。地元の観光協会とも議論を交わし、ついに「仮想旅館」というアイデアをひねり出した。
この仮想旅館とはホームページ上で、自分が行きたい場所や食べたい物などを選択していくと、自動的にオリジナルの旅行プランを立ててくれるというウェブサービスのこと。「これまでは旅行代理店のツアーに頼りきりだったのがよくなかった。これからは個人の計画や趣向を大切にしなければならない。そういう意味では、ピッタリの仕組みだと思う」と。
ちなみに、平戸周辺には世界遺産の候補にもなっている「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のうち、ふたつの教会がある。また、水揚げ量が日本一という天然ヒラメ、平戸牛といった絶品グルメも盛りだくさんだ。「とにかくひとつでも多くの資源をPRすることが大切。お客さんにはそのなかから好きなものを選んでもらえばいい。今後は地域資源活用プログラムはもちろんのこと、国土交通省などの事業にも参加して、グリーンツーリズムやブルーツーリズムといった内容も充実させていきたい」と。仮想旅館という新しい取り組みが、はたして観光地を再生させることができるだろうか。
2008/3/10 TOHO NEWS(東方通信社)
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