シリーズ・排出権ビジネスvol.3
取引先は中国から中央アジアやインドに移行
日本がCDMを実施している先はどこかというと、中国、韓国、ブラジルなどで、とくに中国からは排出権の半数以上を得ているという。しかし「リスク管理の面などで中国はしだいに敬遠されつつある。そのため、電力会社や製鉄会社といった大口需要が中国以外の国に移っていく可能性が高い」とエコビジネスネットワークの安藤眞代表。
実際、最近は中央アジアやインドでCDMを実施したり、計画したりするケースが増えている。たとえば、日本の大手商社が中央アジアのウズベキスタンで、国営会社の化学肥料メーカーと共同での取り組んだケースもそのひとつだ。これは硝酸の製造過程で排出される亜酸化窒素の排出を削減するプロジェクトで、商社は資金や資機材を供給し、その見返りとして年間120万tの排出権を購入する権利を得た。これまでに亜酸化窒素削減事業は世界で12件あるが、今回のプロジェクトはそのなかでも最大規模だそうだ。また、別の日本の大手商社はインドの大手化学肥料メーカーと亜酸化窒素削減のプロジェクトに取り組んでいる。事業に協力する見返りとして年間約30万tの排出権を購入することになっているという。
そのほか、代替フロンの事例としては、イギリスの化学大手メーカーの日本法人が、韓国で代替フロン回収・破壊事業を実施し、大量の排出権を獲得することになったそうだ。
一方、EUでは「排出量取引」が活発化に行われている。02年にイギリスに初めての取引所が設立されたが、現在はオランダ・アムステルダムの「欧州気候取引所」(ECX)が中心となっている。鉄鋼関係、電気関係、セメント関係など、温室効果ガスの排出量の多い企業が参加し、活発な取引を行っているという。
取引価格は株式市場と同様で、市場メカニズムに沿って需要と供給のバランスで変動している。たとえば、07年春当時はCO21t当たり、15ユーロ(2400円)以下だったのが、最近では1t当たり20ユーロを超えている。ちなみに、07年の取引高は22億t(二酸化炭素換算)で、前年比で22倍も増大している。京都議定書の実行期間がスタートし、排出量を超えた事業所がペナルティを課せられるようになったからだと考えられる。
2008/3/13
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