シリーズ・排出権ビジネスvol.4
中小企業の省エネ対策で日本版CDM構想が誕生
排出権に関係するのは、何も大企業だけではない。中小企業も例外ではないのだ。が、日本では中小企業の「省エネ対策」はほとんど進んでいない。というのは、中小企業は大企業に比べてCO2の排出量が少ないからだ。また、中小企業の技術力や資本力が大手に劣っているケースが多いからだとも指摘されている。
とはいえ、中小企業にも省エネに参加してもらわなければならないのは明らかだ。日本は京都議定書の目標値である6%削減を達成できていないばかりか、90年比で8%も排出量が増えているのだ。というわけで、政府も中小企業の省エネ支援に本腰を入れ始めた。
そのひとつが、昨年5月に制定された「日本版CDM」構想だ。これは大企業が中小企業の生産設備の更新などを技術や資金面で支援するというもの。その支援が温室効果ガスの削減につながると評価されると、大企業は排出削減分を中小企業から購入することができるという。その際、排出削減効果を評価するのは環境会計などの専門家による第三者機関が担当する。その機関から承認されると、政府が排出権として認証するというわけだ。現在、日本国内における温室効果ガスの総排出量のうち、中小企業が排出しているのは全体の7%程度だが、この制度を活用すれば、全体の2%を削減できると想定されている。
技術力に関しては、海外から高い評価を受けている中小企業が増えてきており、中小企業が海外で排出権を獲得する可能性も出てきている。たとえば、岐阜県多治見市のレンガメーカーは火入れすることなく、レンガを製造するシステムを独自で開発。それは廃棄物にセメントを混練して、真空状態にしたうえで天日干しするという方法で、CO2を一切排出しないでレンガをつくることができるという。しかも、レンガの強度は通常のものよりも高いだけでなく、大幅なコストダウンにもつながるという。すでにニュージーランドなどに技術供与する計画が浮上しているそうだ。
今後、このように国内外において排出権をめぐるビジネスが加速化することは間違いない。中小企業の参入をはじめとして、その動向からますます目が離せなくなりそうだ。
2008/3/13
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