サン友商事(秋田県にかほ市)の渡部光弘社長は、TDKを50歳で希望退職後、独自商品を手に起業した人物。その商品は矯正箸。商品名を「箸の達人」という。
「箸を『正しく持って』使うことは日本人として当たり前のこと。美しい箸使いの作法を未来に伝承する道具を作りたかった」と話す。
もともと「技術屋」なだけに独自性にはこだわった。普通、矯正箸といえば、箸そのものに細工をしてあるが、この箸の達人は違う。矯正具を橋に脱着するアタッチメントタイプなのだ。
「箸に細工を施すと、人によってはフィットしないケースもある。その点、これだと装着の位置を変えることで、使う人にフィットさせることができる」と。
たしかに渡部社長は技術屋さん、材料の調達から製品の形状造りまで随所にこだわりが。「前職で培った人脈」も頼りになったそうだ。「以前お世話になった樹脂メーカー社長から原料調達ができ、製品の金型製造も、かつての取引き先の社長に相談したところ、採算度外視で引き受けてくれた」という。
おかげで退職後、1年ほどで商品化に成功。現在、県内の道の駅「ねむの丘」(潟町)などで販売できることに。が、個人企業で販路が限られるため、目下の最大の課題は販売のためのネットワーク化、ただいま代理店を募集中だそうだ。なんとかして「県外へアプローチしたい」というのが悲願。すでに、第二、第三の商品構想をもつ渡部社長、ヒット商品を連発するためにも、当面は販路拡大に集中する。
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