ハイテク種子加工会社の嶋崎種苗(静岡県浜松市、嶋崎冨士夫社長)はこの約3年半、クルマのエネルギー源として窒素パワーの可能性を追求してきた。このほど、(財)日本自動車輸送技術協会(通称JATA)で排ガステストを行い、その結果を発表した。それによれば「ガソリンに大気窒素が加わった場合、(ガソリンのみに比べて)市街地や高速道路で約30%、郊外で50〜60%、山間地で約70%の省エネ効果を発揮する」というデータを得た。つまり窒素パワーがガソリンの爆発力を補強することを証明したわけだ。
同社は、創業約130年の老舗種苗メーカー。近年はハイテク種子加工に取り組み、お米を無肥料栽培できる籾種の開発にも成功した。その開発過程で、稲の根に宿る細菌やバクテリアの排せつ物に、大気窒素が固定されて肥料化する事実に着目。その窒素パワーをクルマのエネルギー源に応用し、ガソリンの爆発を使って窒素を誘爆させる省エネ材(ニトロネン)を開発した。「ニトロネンは(クルマのエンジンに使われている)エアーダクトなどに設置。エアーダクトには多量の窒素が流れているため(空気中に約80%)誘爆には最適だった」(嶋崎社長)と。
このJATAでの実験結果によって、この窒素ガスが石化燃料に替わる重要なエネルギー源になることが証明された。おかげで近い将来、少量の石化燃料(もしくはエタノール)に空気中の窒素を組み合わせた、エネルギー効率の高いエンジンが出現するのではと期待されている。
嶋崎社長は、この3年半の間、ニトロネン開発のために、2日に一度の割合でクルマの走行テストを繰り返してきた(95〜300km/1988年型2.8L、レギュラーガソリンのボルボ760V6エンジンを使用)。今年71歳を迎えるが、ますます「窒素エネルギー」の実現に闘志を燃やしている。
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