ニューヨーク近代美術館「MoMA」の日本向けサイトにこんな一節がある。「アメリカで松井と言えば、メジャーリーグの2人を思い浮かべますが、2人がヒットを打つニューヨークのMoMAはニットの松井に注目しました」と。この「松井」とは、今年で創業100年目を迎える老舗ニットメーカー、松井ニット技研(群馬県桐生市、松井智司社長)のことだ。
同社の手がけるカラフルなマフラーは、MoMAで4年連続売上ナンバーワンを誇ってきた。その編み方はリブ編みといわれ、幅7mmほどのしまが縦に伸びているのが特徴。しかも、その色は赤、緑、黄、紫、橙など多彩。しかもそのデザインは、印象派の絵画をモチーフにし「個性的でありながら誰でも身につけられる」(松井社長)ことを心掛けたという。
開発に取り組んだのは1999年。MoMAのバイヤーが同社の技術力に目をつけて開発を依頼したのが始まりだ。折りしも、海外からの安価なニット製品が出回り、価格競争が激化。そんな逆風下で生まれたのがこの多色縦じまマフラーだった。米国でのヒットをキッカケに、同社は05年に自社ブランドを立ち上げた。「安価でいいモノを市場に出したい」という松井社長の思いから、問屋、販売会社を通さず、全国の美術館などをまわって地道に販売先を開拓してきた。おかげで、マフラー1本5400円というお手頃価格を実現。セレクトショップや全国の美術館、空港の売店などで販売され、売れ行きは絶好調だ。
最新モードの発信基地、ニューヨークが認めた、老舗ニットメーカーの誇りとチャレンジ精神。国内では、このほど経済産業省中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」の認定も受け、「松井」ブランド飛躍の条件は整った。(707字)
問合せ
TEL:0277-44-3518
http://www.matsui-knit.co.jp/
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