4月下旬から首都圏50カ所のガソリンスタンドで試験販売されているバイオガソリン。これはガソリンにバイオエタノールを加工した添加物を混合したもの。二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化防止につながるといわれている。そして、この原料となっているバイオエタノールはサトウキビ、トウモロコシ、廃木材などのバイオマス資源を発酵し、蒸留してつくられる植物性のエチルアルコールのことだ。
しかし、一方では「本当にバイオガソリンの使用が地球環境にやさしいのか」という声も。というのは、バイオエタノールを精製するためには原料となるサトウキビやトウモロコシを大量に作る必要があるからだ。そうした原料を製造するコストや環境負荷を考慮すると、本末転倒になってしまう可能性があるというのだ。NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(千葉県柏市)の泊みゆき代表は「日本の場合、バイオガソリン先進国であるブラジルなどと違い、食糧自給率が著しく低い。国内でバイオエタノールの原料をつくるとなると、非効率なうえにエタノールそのものが割高になってしまう」と。
ならば、というわけで食物を原料としないバイオエタノールが注目されている。バイオエタノール・ジャパン・関西(株)(大阪府堺市)が精製している木質系バイオマス(建設廃木材、おが屑、剪定枝)、紙くずなどを原料としたバイオエタノールだ。同社は04年に大成建設(株)、大栄環境(株)、丸紅(株)、サッポロビール(株)、東京ボード工業(株)の出資によって設立。環境省の協力を得て、堺市の大阪エコタウン内にバイオエタノール製造施設の建設をはじめ、今年1月から施設を稼動。いよいよ8月には、この施設で精製したバイオエタノールを関西地方で販売するという。
では、どのようにして木質系バイオマスからバイオエタノールを精製しているのか。まず、木質系バイオマスを細かいチップにし、エタノール原料用とボイラー燃料用に分ける。そして、エタノール原料用のチップに水と硫酸を加え糖分を含んだ分解液をつくり、ろ過機で分離回収し、中和することでエタノール発酵用の糖液を精製。その糖液にエタノール発酵菌を加えてエタノールをつくり、濃縮、蒸留、脱水を経て、製品エタノールにするという。ちなみに、この施設にはボイラー燃料用として仕分けした木材チップからペレットを製造する設備やボイラー燃焼の際の蒸気を使った発電設備も設置されている。施設そのものが循環型になっているというわけだ。
ただし「木質系バイオマスは数量に限りがある。となると、どうしてもエタノールが割高になってしまうため、普及はむずかしいのではないか」と前出の泊代表はいう。注目度が高まっているバイオガソリンだが、まだまだ問題は山積しているようだ。
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