ローカル線の生き残り戦略 vol.4
副業の収入でローカル線を維持


 ローカル線の話題といえば、昨年流行した銚子電鉄のぬれ煎餅がある。これは千葉県の銚子電鉄が資金集めの一環としてインターネットで販売したもの。そもそも銚子のぬれ煎餅は地元の銘菓として有名だったが、「銚子電鉄の経営難を救ってほしい」と呼びかけたところ、インターネット上の大型掲示板で話題に。以来、このぬれ煎餅は好調に売れつづけ、銚子電鉄の存続に一役買っているという。
 では、このぬれ煎餅のほかにもヒットした鉄道銘菓は存在するのか。さっそくご紹介したいのは三陸鉄道(株)の「三鉄赤字せんべい」。国鉄ローカル線で初の第3セクターとして話題になった鉄道だ。
 この三陸鉄道は毎年約1億円の赤字を抱えているという赤字路線。沿線上の住民の減少でなかなか思うように、旅客数を伸ばすことができないでいた。
 そこで昨年末、三陸鉄道は「三鉄赤字せんべい」を発売し、知名度アップをはかることに。このせんべいは三陸鉄道の利用客が提案し、地元の菓子メーカー「菓子工房三石」(岩手県山田町)が製造を担当した。ネーミングは「赤字をバリバリと食べてしまおう」という意味合いで、その味はホンノリと甘く、なかには地元の三陸海岸にちなんで海藻を練り込んでいるそうだ。1袋300円で三陸鉄道の駅の売店(久慈駅、宮古駅、釜石駅、盛駅)と一部の車両で販売。また、インターネットによる通信販売も行っているという。
 発売後、そのネーミングがうけて「生産が追いつかないほどだった」と三陸鉄道総務課。現在も「月に1000袋が売れている」という。どうやら三陸鉄道の取り組みは見事に当たったようだ。
 そのほか、三陸鉄道はマドレーヌ「また乗(の)レール」(4個入り400円)なども販売中。「第2、第3の赤字せんべいを製造することで、リピーターを獲得したい」と話している。
 一方、昔ながらの車両を生かして、副業を営んでいるローカル線もある。群馬県の上信電鉄(株)がそれだ。
 上信電鉄は凸形の車体で「上州のシーラカンス」の愛称で呼ばれた「デキ形」で有名だ。が、現在「デキ形」はすでに運休中。
 そこで、上信電鉄ではイベント電車として、この「デキ形」を活用することに。「デキ形」を希望者に有料で貸し出しているのだ。もちろん、この話に乗ったのが鉄道ファン、さっそく「デキを愛する会」(会長はマンガ家の松本零士氏)を発足。有志を募って、運行会や撮影会などを行っているという。とりわけ「デキ形」を走らせるときには、会員だけではなくファンが写真撮影に夢中になっている。まさに、鉄道ファンが支えているローカル線といえる。
 このようにローカル線が副業で路線維持をはかるという例が増えている。いずれの場合もいかに地域やローカル線の特色を生かすかがカギになっているようだ。





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