「会計用語」で読み解く中小企業会計
著者:吉田 勝
発行:東方通信社
定価:1500円+税
一見すると分かりづらい会計用語。実際、「複式簿記と単式簿記はどう違うの」という会計初心者も多いはず。とくに中小企業の場合、会計や財務に強い人材が少ない場合が多く、数字を生かした経営ができていないことが多い。
そこで、本書では中小企業診断士、税理士、社会保険労務士の“トリプル資格”を持った超ベテランコンサルタントである著者が、中小企業会計をわかりやすく解説。第1章では会計編ということで、資産や負債、純資産などの仕組みを、第2章では財務編ということで財務管理の必要性や財務状態をチェックできる指標についてレクチャーする。そして、第3章では実践編ということで、会計を生かした利益管理、損益分岐点分析、原価管理、資金管理、資本調達、資本運用の手法をレクチャーする。これを読んでいけば、自然と中小企業における会計や財務の仕組みを理解することができるはずだ。また、とくに後半部分では中小企業の経営状態を診断するための指標を数多く取り上げているので、自社の経営分析をする際の教科書としても使うことができる。是非とも中小企業の経営者・マネジメント層、総務・経理担当者、中小企業コンサルタントにオススメしたい一冊である。
フクシマから未来へ
著者:増子輝彦
発行:東方通信社
定価:2000円+税
福島県選出の国会議員で、原発事故当時、経済産業副大臣を務めていた増子輝彦氏の著作。第1章の「『確固不抜』の精神で、政治家人生を福島の再生にかける」と「第4章:福島から未来への提言」には、著者自身が原発事故発生から現在に至るまで福島復興のために取り組んできた活動はもちろん、福島の明るい未来をつくるための提言が詰まっている。震災後の原発立地地域の陳情を一手に引き受けたことなど、現場にいた政治家ならではのリアルなエピソードが盛り込まれており、政治の力、そして有事の際に政治がはたすべき役割を感じることができる。
また、本書では少年時代から政治家を志し、2013年で政治家として30年の節目を迎えた著者の半生にもスポットを当てている。自民党、新党みらい、新進党を経て、現在の民主党に所属するようになってからも、一貫して政治改革と2大政党性の必要性を訴え続ける筆者の〝魂〟も感じることができるはずだ。